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特殊鋼 とくしゅこう special steel

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知恵蔵2015の解説

特殊鋼

少量の合金元素を添加して、様々な特性を強化した鋼。低合金鋼ともいう。高張力鋼はハイテンとも呼ばれ、マンガンニオブバナジウムなどのレアメタルを添加して、50kg以上の高い引張強度を持たせた溶接可能な構造用鋼の総称。耐候性高張力鋼や低温用鋼が代表的で、超高層ビル、大鉄橋、大容量液化ガスタンクを可能にした。強度150kg以上のものは特に超強力鋼と呼ばれ、深海艇、航空機着陸装置などに使われる。高速度鋼は、モリブデンタングステンを加えて、600℃付近まで硬さを持たせた高速度切削が可能な鋼でハイスとも呼ばれ、バイトドリル、歯科用刃物に使われる。

(徳田昌則 東北大学名誉教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

とくしゅ‐こう〔‐カウ〕【特殊鋼】

炭素鋼に、珪素マンガンニッケルクロム・銅・モリブデンコバルトなどの合金元素を加えた鋼。合金鋼。→普通鋼

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百科事典マイペディアの解説

特殊鋼【とくしゅこう】

化学成分,製造法,熱処理などが,大量生産される一般の普通鋼と異なっていて,強さ,硬さ,ねばさなどすぐれた性質を与えられている鋼の総称。多くは性能改善の目的で炭素のほかに1種以上の元素(Ni,Cr,Cu,Al,W,Moなど)を添加した合金鋼であるが,原料銑鉄を精選し電気炉で不純物などに十分注意して造られる炭素工具鋼,機械構造用炭素鋼のような炭素鋼の特殊鋼もある。
→関連項目砂鉄銑純鉄電気製鋼

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世界大百科事典 第2版の解説

とくしゅこう【特殊鋼 alloy steel】

普通鋼以外の,鉄を主成分とする合金をすべて特殊鋼という。普通鋼では主成分の鉄の中に少量の炭素C,ケイ素Si,マンガンMn,リンP,硫黄Sの五つの元素が含まれており,それらの成分量が規制されている。このうち鋼の材質を支配しているのは炭素であり,他の四つの元素は鉱石からの製銑製鋼の過程で必然的に混入する不純物である。炭素が主役を演ずるという意味で普通鋼のことを炭素鋼ともいうが,特殊鋼の場合は一般には合金鋼と呼ばれる

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大辞林 第三版の解説

とくしゅこう【特殊鋼】

普通の炭素鋼にケイ素・マンガン・ニッケル・クロム・銅・モリブデン・コバルトなどの元素を適宜に加えた鋼。合金鋼。

出典|三省堂
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

特殊鋼
とくしゅこう

合金鋼」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

特殊鋼
とくしゅこう
special steel

特別に精錬され、合金元素を添加した高級鋼で普通鋼に対する名称。古い技術では溶鉱炉(高炉)から得られる銑鉄(約4.5%の炭素を含む)を転炉または平炉中で含有炭素を酸化除去して得られた軟鋼(約0.2%の炭素を含む)が普通鋼であり、特殊鋼は改めて電気炉などで精錬を入念に行い、特別の目的のために合金元素が添加された。したがって機械構造用炭素鋼や炭素工具鋼のように合金元素をとくに添加しない機械部材あるいは工具用の鋼をも特殊鋼に含めていたが、第二次世界大戦後に製鋼技術が進歩して、特殊鋼という呼び名もほとんど用いられなくなった。以下では合金元素を添加した鋼、すなわち合金鋼について述べる。
 鋼は焼き入れると非常に硬化し、焼き戻すと靭性(じんせい)が出る。肉厚のものほど急冷ができなくなるので、徐冷しても焼きが入るように、クロム、マンガン、ケイ素、ニッケル、モリブデン、ホウ素などを添加する。ホウ素は0.002%程度の添加で顕著に焼入れ性を高める。モリブデンは約0.2%、他の合金元素は1%前後添加する。0.2%程度の炭素を含む鋼にこれらの元素を添加した鋼は高張力鋼(ハイテンhigh tensile strength steel)または低合金高張力鋼とよばれ、建造物に用いられる。0.2~0.5%炭素鋼に前記の合金元素を添加したものは機械構造用低合金鋼であるが、この鋼種は溶接が困難であるから、機械加工によって形状を整えてから熱処理されて、歯車や軸など強靭性をなによりも必要とする部材に用いられる。硬さと耐摩性をまず要求される工具鋼には、0.5%以上の炭素を含む鋼に前記の合金元素を添加すると、焼入れ性が増すのみならず、炭化タングステンや炭化モリブデンなど非常に硬い炭化物が形成されて工具としての特性が一段と向上する。また、クロム、モリブデン、タングステン、バナジウムなどを添加した合金鋼は、高温に加熱されても容易に軟化しない。この特性を利用したのが熱間工具鋼や耐熱鋼である。高速度鋼はタングステン約18%(あるいはその一部をモリブデンで置換)、クロム4%、バナジウム1%のほかにコバルトを含む高合金鋼で、高速切削をしても切れ味が落ちないドリル、バイトなどがつくられる。耐食性や耐酸化性を与えるためにはクロムの添加がきわめて有効で、12%以上30%以下のクロムを添加した鋼をステンレス鋼といい、耐食、耐熱合金として用いる。この鉄分をニッケルやコバルトで置換し、高温強さを与えるために多量のモリブデン、タングステン、バナジウム、アルミニウムなどを添加した超耐熱合金を超合金といい、ガスタービンやジェットエンジンの製造に用いる。
 通常、鋼は0.03%前後の硫黄(いおう)やリンなどの不純物を含む。これらはいずれも材質をもろくし、高級な合金鋼ほどその悪影響が強く現れるので、合金元素の添加の前にこれら不純物含有量を下げなければならない。とくに液化天然ガス貯蔵タンクのように低温で使用される材料には、リンを下げ、ニッケルを添加した低温用鋼がある。[須藤 一]

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世界大百科事典内の特殊鋼の言及

【製鉄・製鋼】より


【近代製鋼法への発展】
 近代製鋼法への発展の曙光は1740年のるつぼ製鋼法にさかのぼるが,より普遍的技術となったのはH.ベッセマーの酸性転炉法およびW.シーメンズとF.ジーメンス兄弟,P.マルタンなどによる平炉製鋼法の相次ぐ成功により,産業革命期の鉄鋼の飛躍的な増産要請にこたえてからである。その後,トマスによる塩基性製鋼法が創始され,脱リン,脱硫が可能となり,また20世紀初頭,電気エネルギーによる製鋼法がP.L.T.エルーにより開発され,特殊鋼溶製などの分野に独自の地位を築いた。いずれの製鋼法がおもに行われたかは各国の事情と時代によって異なるが,20世紀初頭から約50年間は塩基性平炉法が主流であった。…

【鋼】より

…鋼は種々の方法で分類される。炭素鋼と合金鋼,普通鋼と特殊鋼は主として化学成分による分類であるが,製造法,形状の相違による分類などもある(表参照)。化学成分による分類について簡単に説明する。…

※「特殊鋼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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