報仏寺(読み)ほうぶつじ

日本歴史地名大系 「報仏寺」の解説

報仏寺
ほうぶつじ

[現在地名]水戸市河和田

河和田かわわだ城跡の南東部にあり、山門・本堂・庫裏は東面して建つ。北から東を城跡の土塁がめぐり、西にはもと堀と思われる水田がある。法喜山と号し、真宗大谷派。本尊阿弥陀如来開基親鸞の直弟唯円。寺伝によると建保六年(一二一八)唯円が河和田の榎本えのもとに道場を開いたと伝える。古来歎異抄」はこの河和田の唯円の著作に擬されてきたが、鳥喰とりばみ(現那珂郡那珂町)の唯円説もある。鳥喰の唯円は常陸太田市谷河原の西光やがわらのさいこう寺および那珂郡山方やまがた野上の本泉のがみのほんせん寺の開基とされる。

本尊阿弥陀如来の台座上面には「奉再造弥陀尊像一躯 当檀那春秋尾張守平朝臣幹勝 願主実了 仏所宗清 肯文明十三年辛丑正月十三日造立」とあり、また台座下面には「当寺開基唯円大徳 正応元年戊子八月八日」に始まり、歴代の道場主とその示寂の年月日を列挙し、最後に「実了 大永三年九月廿七日」との記録がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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