塡詞(読み)テンシ

デジタル大辞泉 「塡詞」の意味・読み・例文・類語

てん‐し【塡詞】

中国唐代に始まり、宋代に栄えた韻文の一。楽譜に合わせて文字うずめて歌詞とした。平仄ひょうそく・字数・句数韻脚など細かい決まりが多い。詞余。詞。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「塡詞」の読み・字形・画数・意味

【塡詞】てんし

楽譜に合わせて作る歌曲。詞・詩余ともいう。〔詞話総亀後集、三十二に引く芸苑〕當時、其の才をむるり。上(しやう)(宋の仁宗)曰く、塡詞の柳三變(永)に非ざるを得んやと。曰く、然りと。上曰く、且(しばら)く塡詞を去れと。

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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の塡詞の言及

【詞】より

…〈漢文,唐詩,宋詞,元曲〉といわれるように,詞は宋代をもって様式を完成し,この時代の特有な文学としての位置をしめる。詞というほかにいろいろな呼び方があり,詩余,曲子詞,長短句,塡詞,近体楽府(がふ)などともいう。
[形式]
 韻文としての詞の形式(句法,押韻法,韻律など)は楽曲に規定される。…

【詞譜】より

…宋代では楽曲に合わせて詞を作ったが,元以後は楽曲が伝承を絶ったため,作詞の規準を示す意味で詞譜が現れた。詞を作ることを〈塡詞〉という。塡とははめこむの意で,元来は曲に合わせて作詞することだが,後世は詞譜に合わせることを意味する。…

※「塡詞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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