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平仄 ひょうそくPing-ze

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

平仄
ひょうそく
Ping-ze

中国,古典韻文の修辞上の術語中国語四声 (,上,去,入) は,なだらかな声調平声と,抑揚を伴う上去入の3声を合せて呼ぶ仄声とに分類されるが,一義的にはその平声と声との対立を平仄という。実際には,韻文に美しいリズムを与えるための配列の工夫。特に唐代に入って成立した近体詩にあって,その要求する配列の規則を意味して使われることが多い。

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百科事典マイペディアの解説

平仄【ひょうそく】

漢字の四声のうち,平声を平,他の上声・入声去声を仄とし,詩の韻律を調整するために使用する。六朝時代にインド音韻学の影響で発見,区分されたと伝えられる。平仄の法式には正式(絶句律詩)と変式(古詩など)があり,正式には平起式(第1句第2字が平字)と仄起式(第1句第2字が仄字)の別がある。
→関連項目漢詩作文大体駢文

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世界大百科事典 第2版の解説

ひょうそく【平仄 píng zè】

中国語の各音節の声調を,2項対にした言い方。詩文の制作のときの韻律の配置に使用される。中国語の声調は,5世紀以来,平・上・去・入の四声とされるが,詩文の韻律では,平声と上・去・入の3声を対立させ,後者を仄声(側声とも書く)と称する。仄(側)とは,平に対し,傾仄の意である。日本では,平安時代,《平他字類抄》《作文大体》に見えるように,仄を他と呼んだこともある。平と仄との対立は,サンスクリットの漢字転写と現代の陝西方言の調値の母音量から,平の母音は長音,仄は短音であったところから生まれたという説があるが,定説とはなっていない。

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大辞林 第三版の解説

ひょうそく【平仄】

平声ひようしようと仄声そくせい。また、平字と仄字。
漢詩や駢文べんぶんで、声調の調和のために規定される平字と仄字の配列法。
つじつま。順序。
[句項目]

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

平仄
ひょうそく

中国古典詩において、音律を整えるための作詩法上の規定。平他(ひょうた)ともいう。中国語に声調があることは、六朝(りくちょう)に入って自覚され始め、5世紀の末、南斉(なんせい)時代に、沈約(しんやく)らの「四声八病説(しせいはちびょうせつ)」が出て定まった。平声(ひょうしょう)(たいら)、上声(じょうしょう)(下から上がる)、去声(きょしょう)(上から落ちる)、入声(にゅうしょう)(語尾が詰まる。「にっしょう」ともいう)の四声である。当初は、五言詩の初めの二句十字の構成に、これらの四声の配列を細かく規定したが(八病説)、しだいに、たいら(平)と、たいらでない(仄)ものの2種に分けて配列を問題にするようになった。つまり、平声が平、上・去・入声が仄である。唐になって近体詩が成立し、その平仄の配列法も定まった。五言絶句に例をとれば、次のようなことである(○印は平、●は仄)。

 第一句の2字目が仄であるものを仄起式、平であるものを平起式という。五言の場合、2字目と4字目は平仄が反対にならなければいけない(二四不同という)、また下の3字が平平平・仄仄仄となってはいけない(下三連という)、仄平仄のように平字が仄字に挟まれてはいけない(孤平(こひょう)という)などの禁忌がある。七言の場合は、6字目が2字目と同じ平仄になる(二六対(つい)という)規則が加わるだけで、あとは五言の場合の平仄式に準ずる。[石川忠久]

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