化学辞典 第2版 「塩化インジウム」の解説
塩化インジウム
エンカインジウム
indium chloride
【Ⅰ】塩化インジウム(Ⅰ):InCl(150.27).一塩化インジウムともいう.インジウムと塩化水素を加熱して得られる.黄色,赤色の固体があり,後者が高温で安定である.転移温度120 ℃.融点225 ℃.水によりInCl3とInに分解する.[CAS 13465-10-6]【Ⅱ】塩化インジウム(Ⅲ):InCl3(221.18).三塩化インジウムともいう.インジウムと塩素を加熱すると得られる.無色の結晶.融点586 ℃.水に易溶.水溶液から四水和物と五水和物の結晶が得られている.三価の化合物は固体も水溶液も安定である.
ほかにInCl2,In2Cl3,In4Cl5,In4Cl7などがあるが,これらは InⅠと InⅢの混合物と考えられている.電解めっき,透明導電膜の製造,パッチテスト試薬などに用いられる.111InCl3は放射性医薬品として用いられる.[CAS 10025-85-8:InCl3][CAS 22519-64-8:InCl3・4H2O]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報