ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「詩篇」の意味・わかりやすい解説
詩篇
しへん
Tehillîm; Psalmi
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『旧約聖書』中の代表的詩文学。詩篇という名称のヘブライ語原語は「テヒリーム」tehillîm、つまり「賛美の書」の意である。5巻からなり、合計150篇を数えるが、このなかには重複する数篇がある。したがって現在の「詩篇」は、本来独立していた「ダビデ歌集」(3~41篇)、「エロヒム歌集」(42~83篇)、「ハレルヤ詩篇」(104~106篇ほか)、「エルサレムの都もうでの歌」(120~134篇ほか)などが集合したもので、現在の形に完結したのは紀元前3世紀のこと。これらは詩形の類型によって、賛美、民族の嘆き、個人の嘆き、感謝、信仰告白、という五つに分類される(H・グンケル)。「詩篇」には、神の語りと行為に応答する旧約信仰の対話的性格が、豊かな詩的構想力をもって表白されている(M・ブーバー)。それは時代と民族を超えて、広く人々の心の深奥に去来する、永遠を希求する思いに勇気と慰めを与えてきたヘブライ文学の最頂点を示している。
[吉田 泰]
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…イエスは十字架につく前に弟子たちと最後の晩餐をともにし,〈彼らは,さんびを歌った後,オリーブ山へ出かけて行った〉とある。ここで歌われたのは,旧約聖書の《詩篇》の歌(プサルモディアpsalmodia)であったと考えられる。その後,初期キリスト教の時代を通じて,キリスト教の中心は主として地中海の東方(オリエント)にあり,新たに作られる賛歌(ヒュムノスhymnos)の類を加えながら,シリア聖歌,アルメニア聖歌,コプト聖歌,ビザンティン聖歌など,それぞれ地方色をもつ典礼聖歌の伝統が形づくられていった。…
…時禱(正しくは時課)とは毎日の定時の祈禱をいう。
[起源,内容]
時禱書の前身として,中世初期にもっとも一般的に使用された個人用祈禱書としての《詩篇》を重視する説と,聖職者用の聖務日課書(抄本)breviaryがその手本である,とする説がある。聖務日課書は,かつて聖書,賛歌,交誦,集禱文など数冊に分かれていたが,種々の便宜と目的のため12世紀にモンテ・カッシノ修道院などで1冊の抄本にまとめられ,以後急激にヨーロッパ各地に普及したものである。…
…〈信仰義認論〉または〈福音主義〉と呼ばれるものがそれであって,〈ひとの救いは,行いによるものではなく,十字架のキリストにおける罪の贖(あがない)を信ずることのみによる〉という確信を根底としている。そのさい,ルターの個人的宗教体験に客観的な裏づけを与えたものは,とりわけ旧約聖書の《詩篇》と新約聖書のパウロ書簡(《ローマ人への手紙》《ガラテヤ人への手紙》)であった。〈九十五ヵ条〉で表明された彼の疑念と批判は,教皇が,贖宥状(免罪符)の購入のごとき外的な〈行い〉(功績)に免じて,信徒の罪そのものを赦す特別の力をそなえていると思うのは誤りであり,真の内的な悔い改めと,唯一の救い主キリストの御業(みわざ)に示される神の恩寵への,全面的な信仰によってしか魂は救われない,という根本的確信の帰結にほかならなかった。…
…アメリカの詩人。アイダホ州生れ。1908年にロンドンに渡り,先輩詩人のW.B.イェーツやT.E.ヒュームと交わり,英詩の変革を目ざしてイマジズムやボーティシズムの運動を起こした。しかしイギリスの文壇にいれられず,詩集《ヒュー・セルウィン・モーバリー》(1920)を残して同地を去った。パリ時代には,J.ジョイスの出版を助けたり,T.S.エリオットやヘミングウェーの作品を指導したが,24年以降はイタリアに移り,叙事詩《詩編The Cantos》(1930‐69)の完成と,社会・経済問題に没頭した。…
…(1)古代イスラエル時代(放浪期,王国期) この時代の音楽は,おもに旧約聖書から類推できる。旧約聖書には,音楽の始祖ユバルについての記事を筆頭に,預言の音楽,祈りの歌,仕事歌,儀式のための付随音楽,愛歌,哀歌,宴のようす,女性の歌と踊り,音楽治療(例:鬱病のサウル王のためにリラを弾くダビデ)など,この時代を通じての音楽状況に関するさまざまの言及がみられ,さらには,《紅海渡りの歌》《ミリアムの歌》《井戸の歌》などの歌の詞や,まとまった歌詞集成としての《詩篇》《雅歌》《哀歌》なども含まれている。旧約聖書にはまた多くの楽器名が登場する。…
※「詩篇」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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