境田遺跡群（読み）さかいたいせきぐん

日本歴史地名大系

境田遺跡群
さかいたいせきぐん

• 山形県：山形市
• 旧東村山郡地区
• 長町村
• 境田遺跡群

[現在地名]山形市長町 境田

馬見（まみ）ヶ崎（さき）川左岸の自然堤防上に立地。境田Ａ・Ｂ・Ｃ・C′・Ｄ・Ｅの六地点が確認され、Ｂ・Ｃ・C′・Ｄの各遺跡は昭和五六年（一九八一）から六一年にかけて発掘調査が行われた。地点によって多少の差はあるが、縄文時代晩期大洞BC式期から平安時代にかけての遺跡である。Ｂ遺跡では平安時代の高床式倉庫と考えられる掘立柱建物跡四棟と、それに伴う溝跡三条が検出された。中心となるＤ遺跡では弥生時代中期末の小竪坑に安置された壺棺墓一基と平安時代の竪穴住居跡・井戸跡・土壙・大溝ほか多数の柱穴状の遺構が検出された。弥生土器の遺物包含層は二層認められ、下層からは遠賀川系土器、上層からは二本同時施文具によって渦巻・重三角・連弧などの幾何学文様を描く、桜井式並行の七浦式土器が出土した。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」