増白剤(読み)ぞうはくざい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「増白剤」の意味・わかりやすい解説

増白剤
ぞうはくざい

光学的作用により繊維の白さを強調するために用いられる薬剤無地白色の繊維製品は長時間放置すると、太陽光線によって一部が分解し黄ばんでくるが、青色染料あるいは蛍光染料を少量配合した洗剤で洗濯すると、染料が繊維表面に吸着し、染料によって発色する青色と、繊維自体の黄色が相補って肉眼には白色にみえるようになる。衣料用合成洗剤には約0.2~0.5%の蛍光染料が配合されている。蛍光染料としては、アミノスチルベン型、ビフェニル型、あるいはクマリン型のいずれかが用いられる。洗濯の際、蛍光染料の大部分は衣料に吸着される。洗濯の終わった衣類は、紫外線を吸収して青色の蛍光を出し、増白効果を現す。衣料に吸着されなかった洗剤や染料は、下水あるいは河川に放流されるが、いずれも光、空気、水による自然分解、または微生物による分解を受ける。

[早野茂夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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