蛍光を発する色素を総称して蛍光染料という。もっとも代表的なものが、強い黄緑色の蛍光をもつフルオレセインである。水あるいはアルコールに溶けて蛍光を出すものもあるが、インダンスレン染料のなかにも、有機溶媒に溶けて蛍光を出すものがある。プラスチックや繊維、インキに蛍光をもった色調を与えるために利用されている。溶媒に不溶な蛍光色素は蛍光顔料として、印刷インキ、ペイント、絵の具などに利用される。また、強い蛍光をもつ色素はレーザー発光にも用いられ、色素レーザーとしての活用が注目されている。
それ自身可視光を吸収せず色をもたないので色素ではないが、近紫外線を吸収し赤紫の蛍光を有するものは顕著な増白作用がある。このようなものを蛍光増白剤あるいは蛍光増白染料とよんで、白地の増白に利用されている。
[飛田満彦]
蛍光を発する染料の総称.たとえば,フルオレセインは緑色の蛍光を伴う黄色の酸性染料であり,そのほか,古くから著名なものとして,エオシン,ローダミンB,チオフラビンなどがある.しかし,いずれも日光堅ろう度は低く,特別なものを除いては繊維の染色には用いられず,むしろ有機蛍光顔料(標識,広告,美術工芸品)の原料として,近年,需要は増大している.そのほか,水流調査のトレーサー,あるいは金属探傷剤などの用途がある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…蛍光漂白剤fluorescent bleaching agent,蛍光染料fluorescent dyeともいう。近紫外部の光を吸収し,青紫の蛍光を発する染料。…
※「蛍光染料」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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