夏身郷(読み)なつみごう

日本歴史地名大系 「夏身郷」の解説

夏身郷
なつみごう

和名抄」高山寺本・東急本ともに訓を欠く。「日本地理志料」は「奈都美」と読む。天平三年(七三一)二月七日の伊賀国正税帳(正倉院文書)に「名張郡主帳夏身金村」がみえる。承平四年(九三四)一二月一九日付伊賀国夏見郷刀禰解案(光明寺古文書)で、伊勢大神宮所領地山河四至として「東限高回河、其河後伊賀郡阿保村主 南限大和国水堺 西限栗河在夏見郷夏見村主 北限大地頭在」、四至所在地名に「比奈知 針生 長木 布乃布 大野 大良牟 色豆 上家 菅野 土屋原 曾児 高羽」、川に「栗河」(現青蓮寺川)と「横河」(現比奈知川)があることを当郷の刀禰が注進している。


夏身郷
なつみごう

「和名抄」高山寺本・東急本ともに「奈豆美」(ナツミ)と訓ずる。「興福寺官務牒疏」に「光明寺 在甲賀郡夏見郷」とあり、この夏見は夏身で、もとより中世郷とみるべきものか。平安時代中頃の私家集「祭主輔親卿集」には大中臣輔親東海道を経て京都へ帰るときの歌として「あふみなるなつみの里の家ゐには秋の紅葉そ今に残れる」という一首を載せる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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