外山座(読み)トビザ

デジタル大辞泉 「外山座」の意味・読み・例文・類語

とび‐ざ【外山座】

大和猿楽四座の一。奈良春日神社に奉仕した。のちの宝生座

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精選版 日本国語大辞典 「外山座」の意味・読み・例文・類語

とび‐ざ【外山座】

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「外山座」の解説

外山座
とびざ

大和猿楽の一つ。奈良県桜井市外山本拠を構えていた座。本来は結崎(ゆうざき)座と同様に多武峰(とうのみね)妙楽寺所属の猿楽だったが,早くから円満井(えんまんい)座・結崎座坂戸(さかど)座とともに興福寺薪猿楽・春日若宮祭にも参勤。長い間宝生(ほうしょう)座の古名とされていたが,「翁」を演じる組織の翁座としての外山座から能芸を主とする能座の宝生座が派生した。宝生座という名は一説では流祖とされる観阿弥の長兄の芸名宝生に由来する。

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世界大百科事典(旧版)内の外山座の言及

【能】より

…日本芸能の種目名。通常,猿楽能を指す。広義には歌舞劇の一般名で,ほかに田楽能(でんがくのう)(田楽)があり,延年の歌舞劇を便宜上,延年能と呼ぶこともある。猿楽能は,南北朝時代から室町時代初期にかけて発達し,江戸時代中期にほぼ様式の完成を見たが,他の能はこうした発達を遂げないままに終わった。以下,猿楽能についてだけ述べる。猿楽能は屋根のある専用舞台をもち,面(おもて)を用い,脚本,音楽,演技に独自の様式を備え,猿楽狂言(通常,単に狂言と称する)と併演する芸能である。…

【宝生流】より

…(1)能のシテ方の流派名。源流は南北朝期,大和の外山(とび)(奈良県桜井市)を本拠に多武峰(とうのみね)寺ついで春日・興福寺に所属した大和猿楽外山座で,宝生座ともいった。宗家の系図では,観世座初代の観阿弥の子という蓮阿弥重英(?‐1468)を流祖とするが史実と合わない。…

【大和猿楽】より

… 金春座という名称は禅竹の祖父の金春権守に由来するらしい。一方,外山座は桜井市外山に,結崎座は磯城郡川西町結崎に,坂戸座は生駒郡平群(へぐり)町にそれぞれ本拠を構えていたようだ。坂戸座はもとは法隆寺属で鎌倉初期から活動していた座であるが,いつからか興福寺参勤猿楽となっていた。…

※「外山座」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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