多保市村(読み)とおのいちむら

日本歴史地名大系 「多保市村」の解説

多保市村
とおのいちむら

[現在地名]福知山市字多保市

由良川の支流土師はぜ川の右岸にあり、村内で竹田たけだ川が土師川に合流する。村中を京街道が西北から東南に貫通する。西は長田おさだ村、東は岩崎いわさき村、南は広い田圃と土師川を隔ててみや村・大内おおち村・田野たの村に対し、北は広大な長田野を横断して由良川本流流域の石原いさ村に達する。村の東北にはたか岳がそびえ、その山麓の水を集めた大池おおいけがある。

古くには土師川の下流福知山方面から、上流三俣みまた方面に向かうには、村の東北多保市山田とおのいちやまだから東方平石ひらいしを経たと思われる。多保市山田には古墳が数基あった。

丹波志」は「多保市村 福智山領 高四百五拾一石五斗 民家六拾八戸(中略)大池ノ端ヨリ東ヘ六七町行、夫ヨリ南ノ方ヘ行谷筋ヲ多保市山田ト云、出戸六戸在」と記す。また同書別項に、この辺りに寺塔の古跡があることを記し、当村の地名は塔のある寺の前に市場があったことから起こったと説明している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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