日本歴史地名大系 「多和文庫」の解説 多和文庫たわぶんこ 香川県:大川郡志度町志度村多和文庫多和神社参道西側にあり、香木舎(かきのや)文庫ともいう。同社社家松岡氏の管理する書庫で、収蔵する典籍・文書は幕末から明治にかけて国学者・神官として業績を残した松岡調が収集したものである。調は藩校皇学寮の教授を務め、のち金刀比羅宮禰宜、現兵庫県宍栗(しそう)郡一宮(いちのみや)町伊和(いわ)神社宮司、高松田村(たむら)神社宮司を歴任した。収蔵文書・典籍は約一千八〇〇点・五千八〇〇冊に及ぶが、わが国最古の田図である天平七年(七三五)一二月一五日の山田郡弘福寺領田図、天平勝宝六年(七五四)八月八日と天平宝字二年(七五八)一一月一四日の東大寺写経文書(国指定重要文化財)、応永一九年(一四一二)七月二四日の後小松天皇宸翰消息および同年八月二一日の後小松天皇宸翰女房奉書(県指定文化財)など、古代から近世にいたる貴重な史料が保存されている。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by