多段抽出法(読み)ただんちゅうしゅつほう(その他表記)multistage sampling

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「多段抽出法」の意味・わかりやすい解説

多段抽出法
ただんちゅうしゅつほう
multistage sampling

標本抽出法一種調査を行う場合に母集団から直接に標本を抽出せず,母集団をいくつかの標本の集り (クラスター) に分け,まずそのクラスターを単位として抽出し,次に第2段でそのクラスターのなかからさらに抽出してクラスターをつくる。このようにして3段以上にわたって抽出し,そのなかから調査の対象の個体を抽出する方法をいう。この方法の利点は,サンプリング現地調査労力が省け,時間,費用を大幅に節約できるところにある。しかし単純無作為抽出に比べて誤差が大きい。したがって普通この方法が使用される場合には,確率比例抽出法か層化抽出法を併用して,誤差を最小限にとどめることがよいとされる。

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世界大百科事典(旧版)内の多段抽出法の言及

【標本調査】より

…このように本来は有意抽出法,無作為抽出法のどちらの抽出法によるものも標本調査であるが,無作為抽出法が多用される今日では,単に標本調査といえば無作為抽出法による標本調査を意味することも多い。無作為抽出法には,もっとも基礎的な抽出法である単純無作為抽出法のほか,層化抽出法,多段抽出法,系統抽出法などの諸技法が考案されているが,以下ではまず単純無作為抽出法を例にとってその原理を説明する。
[単純無作為抽出法の原理]
 たとえば,10人勤めている会社があってその平均賃金を知りたいものとする。…

※「多段抽出法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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