夤縁(読み)いんえん

精選版 日本国語大辞典 「夤縁」の意味・読み・例文・類語

いん‐えん【夤縁】

〘名〙 (「夤」は連なるの意、「縁」は因るの意)
① 茂った蔓草などが物にからみつくこと。
※松山集(1365頃)瓶凌霄花「長蔓夤縁盤緑龍、豔然吐出浅深紅」 〔左思‐呉都賦〕
② ものごとが互いに連関していること。絡みあっていること。
※棕隠軒集‐初集(1825)上・擬一日復一日「観往則知来、消長相夤縁」
※厭世詩家と女性(1892)〈北村透谷〉「社会の夤縁(インヱン)に苦しめられず」
縁故にたよって官職を求めること。つてを求めること。
一年有半(1901)〈中江兆民〉三「工商に在ては夤縁依附結托して奇利を覘ひ」 〔宋史‐神宗紀〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「夤縁」の意味・読み・例文・類語

いん‐えん【×夤縁】

縁故などの関係。てづる。つて。
葉子との郷里の―で庸三を頼って来たものだったが」〈秋声仮装人物

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android