大伴池主 (おおとものいけぬし)
奈良時代の歌人。生没年不詳。746年(天平18)ころ越中掾(じよう)として大伴家持の配下にあり,家持との間に交わした多くの贈答歌を《万葉集》にとどめるが,大伴一族とあるのみで系譜は不明。のち越前掾に転じ,さらに中央官として都にかえった。757年(天平宝字1)橘奈良麻呂の変に加わって投獄され,その後は不明。〈山峡(やまがい)に咲ける桜をただひと目君に見せてば何をか思はむ〉(《万葉集》巻十七)。
執筆者:川口 常孝
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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大伴池主 おおともの-いけぬし
?-? 奈良時代の官吏。
大伴家持(やかもち)が越中守のときの越中掾(じょう)で,家持とかわした歌などが「万葉集」におおくみられる。のちに式部少丞(しょうじょう)。天平勝宝(てんぴょうしょうほう)9年(757)橘奈良麻呂(たちばなの-ならまろ)の変にくわわり,投獄された。
【格言など】十月(かむなづき)時雨(しぐれ)に逢へる黄葉(もみちば)の吹かば散りなむ風のまにまに(「万葉集」)
出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例
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