大北横穴群(読み)おおきたよこあなぐん

日本歴史地名大系 「大北横穴群」の解説

大北横穴群
おおきたよこあなぐん

[現在地名]伊豆長岡町北江間 男山

町域北端近く、大嵐おおあらし(一九一・一メートル)南麓の凝灰岩層に掘削された密集型横穴群。国指定史跡北江間きたえま横穴群の一つで、当群を中核に五群七〇基が東半部をつくり、南西約七〇〇メートルに西半部の中核となる大師山たいしやま横穴群がある。眼下の江間低地には縄文時代晩期・弥生時代中期から古墳・律令時代までの遺跡と古墳時代後期の群集墳が知られる。「和名抄」所載の田方郡依馬えま郷は当地に比定される。当横穴群は総数四七基が確認され、石室長一一メートル余から二〇センチまで、平面フラスコ形から長方形まで、刳抜式石棺から火葬骨用石櫃までなどと種々の変化に富むが、いずれも玄室と墓前域からなって羨道を設けない構造で共通する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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