日本歴史地名大系 「大口用水」の解説 大口用水おおぐちようすい 鳥取県:鳥取市旧邑美郡地区大口用水千代川右岸で取水し、鳥取市域を潤す灌漑用水路。江戸時代には円護寺(えんごじ)・覚寺(かくじ)・浜坂(はまさか)・向国安(むこうくにやす)・越路(こいじ)の五村を除く邑美郡内のすべての村を潤したとされる。取水堰は八上(やかみ)郡円通寺(えんつうじ)村に設けられていた。開削年代は不明であるが、堰の構造や規模から慶長(一五九六―一六一五)から元和(一六一五―二四)にかけての築造と推定される(千代川史)。邑美郡大井手とも称された。枝状に多くの用水路が開削され、藩政期の灌漑面積は不明だが、昭和三八年(一九六三)は約六七四町歩、同四九年には約五六三町歩。用水路の幹川は山白(やましろ)川とよばれ、取水堰から山裾を通って八坂(はつさか)村・橋本(はしもと)村・馬場(ばば)村に流れ、馬場の倉田(くらだ)八幡宮の裏手で二筋に分れた。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by