東京都の伊豆大島を中心にうたわれた民謡。〈わたしゃ大島 御神火(ごじんか)育ち 胸の煙は絶えやせぬ〉の歌詞で有名だが,この歌詞はのちに作られたもの。明治初めのころ大島の野増(のまし)村の人たちが茶摘歌としてうたい出したとされ,《野増節》ともいったが,大島に古くからあった民謡に,横浜で製茶の作業歌としてうたわれていた《お茶場節》の曲趣をとり込んだものという。明治末期のころからしだいに知られるようになり,とくに東京湾沿岸の各地花柳界に紹介されて《大島節》という曲目名も固定していった。昭和初期までは《島ぶし》として現地では手拍子でうたわれていたが,現在は三味線を入れたお座敷歌になっている。千葉県の房総半島南部の各地では《島ぶし》が伝承されている。
執筆者:仲井 幸二郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
1969年から続く英国の文学賞「ブッカー賞」の翻訳書部門で、他言語から英語に翻訳された優れた作品に贈られる。翻訳者の仕事を重視し、賞金5万ポンド(約970万円)は作家と翻訳者で折半される。2005年...