大崩(読み)おおくずれ

精選版 日本国語大辞典 「大崩」の意味・読み・例文・類語

おお‐くずれ おほくづれ【大崩】

〘名〙
① 戦に敗れて、総軍が退却すること。散々な負け戦であること。
※車屋本謡曲・朝長(1432頃)「朝長いきのしたにて、さん候大崩にて膝の口を射させ」
土砂などが大きく崩れること。また、そのような場所や、そのような場所に付けた地名
曾我物語(南北朝頃)七「歌をもよまず、横目をもせで、うちける程に、大くづれにこそ付けれ」

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日本歴史地名大系 「大崩」の解説

大崩
おおくずれ

[現在地名]小千谷市岩沢 大崩

岩沢いわさわ村の枝村で、村内山地やまちの最大の集落。もと大土山おおづちやまと称した。西方小土山こづちやまそでさわの集落は、大土山を中心にして付けられた地名である。前平まいびら山の大崩壊により、集落名が変わったという。崩壊個所はのげと称する大断崖となっており、押出した土砂の上に鎮守社があるので、崩壊はよほど古い時代のこととみられる。正保国絵図では「大崩村」と記され、高五七石余。当地から七曲ななまがり箒平ほうきだいら桜峰さくらずんね中腹函山城はこやまじよう跡・坊村ぼうむらに至る山路は、大崩・池之平いけのたいら・外ノ沢・小土山の集落の主要道路であった。途中の箒平の畑地は外ノ沢の所有で、大崩・小土山では通行料として毎年牛馬一頭につき米三升を出している。文化五年(一八〇八)には通行料をめぐって争論となり、小千谷組大庄屋佐藤半左衛門が扱人となり決着した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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