大急潮(読み)だいきゅうちょう(その他表記)stormy current

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大急潮」の意味・わかりやすい解説

大急潮
だいきゅうちょう
stormy current

駿河(するが)湾や相模(さがみ)湾などの太平洋沿岸で、冬から春にかけて外洋水湾内へ急に流入する現象急潮ともいう。沖合いを流れる海流等にも関係するが、強い南風が吹いたあとにおこりやすい。大急潮が発生すると、湾内の流れが強まるとともに、外洋の暖水が流入するので、水温が急に上昇し透明度を増す。沿岸漁業に対する影響は大きく、定置網が流されたりする被害を受ける場合もあるが、逆にブリなどの豊漁をもたらすことも多い。

[岡田正実]

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世界大百科事典(旧版)内の大急潮の言及

【急潮】より

…海洋学でいう急潮とは,日本の太平洋沿岸,特に相模湾や駿河湾などで,外洋水が湾内に急に流入する現象であり,単に流速の大小を言っているのではない。この現象は大急潮とも呼ばれる。急潮は冬から春にかけてほぼ1ヵ月に1度の割合で起こることが多い。…

※「大急潮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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