大日本茶道学会(読み)だいにほんちゃどうがっかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大日本茶道学会」の意味・わかりやすい解説

大日本茶道学会
だいにほんちゃどうがっかい

近代になって田中仙樵(せんしょう)によって新しくおこされた茶道流派の一つ。1898年(明治31)の創設以来、東京をはじめとする関東一円を中心に、全国に組織を拡大している。仙樵(1875―1960)は京都府天田(あまた)郡西中筋村(現福知山(ふくちやま)市)に生まれ、20歳で京都に出て、玄々斎千宗室(げんげんさいせんのそうしつ)の高弟前田瑞雪(ずいせつ)について茶道を学び、さらに円能斎(えんのうさい)千宗室より皆伝を受けた。学会の創設とともに初めての茶道機関誌『茶道学誌』を発刊。また浅田宗恭(そうきょう)、野崎兎園(とえん)について『南方録(なんぽうろく)』を究め、『茶道講義録』をはじめ多くの書を著した。その後、1910年(明治43)に東京で改めて学会を再興し、茶法の秘伝公開を行って茶道界に新風を送った。現在の会長は3代目の仙翁(せんおう)。

[筒井紘一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大日本茶道学会」の意味・わかりやすい解説

大日本茶道学会
だいにほんちゃどうがっかい

裏千家の前田瑞雪門の田中仙樵 (1875~1960) が提唱した茶道の研究団体。 1898年に京都で設立 (初代会長鳥居得庵) ,1910年に東京に移った。のちに石州流南坊流の研究を加えて独自な主張をし,現在では流派的な存在になっている。

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