朝日日本歴史人物事典 「大林宗套」の解説
大林宗套
生年:文明12(1480)
室町後期の臨済宗の僧。諡号は仏印円照禅師,正覚普通国師。天竜寺では惟春寿桃と称していた。京都の人。俗姓は藤原氏。天竜寺に出家するが,文芸に傾倒していた五山の宗風を嫌って大徳寺に移り,古岳宗亘に師事し,法を嗣いだ。徳禅寺の住持を経て,天文5(1536)年に大徳寺の第90世となり,また弘治2(1556)年には三好長慶の招きにより,和泉(大阪府)南宗寺の開山となる。このころより,堺の豪商で,茶人の武野紹鴎などと広く交流,大徳寺派の禅と茶の関連を密接なものとした。一説に弘治2年4月13日の示寂。<参考文献>竹貫元勝『日本禅宗史』
(石井清純)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報