大栃村
おおどちむら
[現在地名]物部村大栃
頓定村の北東、物部川の上流槙山川と上韮生川、および舞川が合流する付近一帯を村域とする。集落は河岸段丘上に発達し、古来槙山郷の中心として、山村ながら市場町を形成。槙山郷奥地と上韮生郷を結ぶ地でもあった。「土佐州郡志」は「本村太法・堀田・楮之谷・中伴尾等惣曰大栃」と記し、槙山川に沿った道をさかのぼって別府村から阿波に抜ける一方、上韮生川上流や、その支流笹川に沿った道を登って阿波に至るなど、山間部の道路の重要分岐点でもある。
延慶二年(一三〇九)三月二〇日付で大忍庄槙山と韮生山の境界を定めた政所書状(蠧簡集木屑)に「大杤 命増名内」とみえる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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