大根占郷(読み)おおねじめごう

日本歴史地名大系 「大根占郷」の解説

大根占郷
おおねじめごう

近世鹿児島藩の外城の一つ。肝属郡を間に挟んで南北に分断された大隅郡に所属し、南部の大隅郡北端に位置する。鹿児島藩直轄領。「三国名勝図会」に当郷は「禰寝郷を割て、地頭を置く」とあり、寛文四年(一六六四)の郡村高辻帳に当郷所属の仮屋之かりやの(城元村)・大根占村(馬場村)神之川かみのかわ村および他郷の九ヵ村は禰寝郷のうちと記されることから、中世の禰寝院を継承した禰寝郷が近世初頭に存在した可能性がある。「三州御治世要覧」では所属村は城本しろもと(城元村)馬場ばば村・神之川村。慶長五年(一六〇〇)一一月七日、島津義久(竜伯)はその息女亀寿に「大根しめ村」二千七三九石余を与えているが(「島津竜伯知行宛行状」島津家文書)、これは当郷のこととみられる。諸郷地頭系図は当郷の初代地頭を寛永一四年(一六三七)死去の桂太郎兵衛忠増としている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報