日本大百科全書(ニッポニカ) 「大根占」の意味・わかりやすい解説
大根占
おおねじめ
鹿児島県南東部、大隅半島(おおすみはんとう)南西部にあった肝属郡(きもつきぐん)の旧町名(大根占町(ちょう))。現在は錦江(きんこう)町の北部を占める。旧大根占町は1933年(昭和8)町制施行。2005年(平成17)田代(たしろ)町と合併し錦江町となった。旧大根占町域の鹿児島湾岸は狭い沖積地で、東部には台地、山地が広がる。国道269号が通じ、大根占港がある。中世、禰寝院(ねじめいん)として知られ、禰寝氏が大隅半島南部に勢力をもつ豪族に成長、一時は島津氏と争うが、のちに服した。1595年(文禄4)以降は島津氏直轄領で麓(ふもと)(外城(とじょう))が置かれた。基幹産業は畑作中心の農業で葉タバコ、サヤエンドウ、ピーマンなどを栽培するほか、ブロイラーやブタの畜産が盛んである。南大隅の行政の中心地で、官公庁の出先機関が多い。
[平岡昭利]
『『大根占町誌』(1971・大根占町)』