大検注(読み)だいけんちゅう

精選版 日本国語大辞典 「大検注」の意味・読み・例文・類語

だい‐けんちゅう【大検注】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中世国司荘園領主などが所領の年貢徴収の基準を定めるため、検注使を派遣して田畑面積、耕作状況などを検査した検注のうち、正式に行なったもの。とくに、定期的に行なった正検(しょうけん)をいうことが多い。
    1. [初出の実例]「庄家落居之時、大検注在家校合之刻者、相副寺家憲法使其節」(出典高野山文書‐(年月日未詳)(鎌倉)阿氐河庄上村預所真算契約状)
  3. とくに、国司が任国ではじめて行なう検注をいう。
    1. [初出の実例]「初任検註〈号大検註云々〉分、一倍可懸催之由」(出典:建内記‐嘉吉三年(1443)三月五日)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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世界大百科事典(旧版)内の大検注の言及

【検注】より

… 中世の検注には,目的や方法などにより正(しよう)検注,居合(いあい)検注,内(ない)検注などと区別された。正検注は大検注,実検注などとも称せられ,領有地全域を対象として行われ,すべての検注の基本をなし,領有地支配の根底をなした点できわめて重要な意味をもつ。その目的は上記のごとくであるが,そのほかに隠田の摘発,斗代すなわち段当り租税額の増額なども併せ行われた。…

※「大検注」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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