朝日日本歴史人物事典 「大潮元皓」の解説
大潮元皓
生年:延宝4.1.6(1676.2.19)
江戸中期の黄檗僧。肥前国(佐賀県)松浦の人。月枝,魯寮とも号した。同国の竜津寺化霖道竜の法を嗣ぎ,黄檗山の独湛性瑩にも参じた。仏教のほかに儒教も修め,詩文に長じており,多くの文集を書いた。江戸の深川に草庵(魯寮)を結んでいたときには,儒学者荻生徂徠や服部南郭らと交友があり,また,中国語に堪能で,中国人僧の多かった宇治の黄檗山万福寺で通訳として役についたこともあった。佐賀藩主鍋島宗茂・宗教父子の帰依を受け,晩年には藩士に儒教を講義して,二人扶持を与えられた。<参考文献>道契『続日本高僧伝』6巻
(吉田剛)
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