大熊湊(読み)でつくまみなと

日本歴史地名大系 「大熊湊」の解説

大熊湊
でつくまみなと

[現在地名]名瀬市大熊

大熊村にあった湊。砂糖の積出湊であり、また大島代官らが離着岸する湊であった。なかでも山川やまがわ(現山川町)と結ぶ船は、下りが旧暦八―九月の北風を、登りは四―五月の南風を利用した定期航路であった。宝暦七年(一七五七)横目二人は大熊湊に着岸している(大島代官記)。文化三年(一八〇六)大島代官本田孫九郎が上申した一八ヵ条(大島要文集)によれば、大熊湊は二三反帆船を係留する居船場一九ヵ所の一つで、津口横目の船改が行われた。同一〇年大熊湊から出帆した船三艘が屋久島まで航海したところで天候不順のため津代つしろ(現笠利町)古仁屋くにや(現瀬戸内町)まで戻され、再度出航したものの大熊湊に引返すなど難儀続きであったが、付役の古後氏・染川氏らは唐国に漂着、肥前長崎経由で帰還している(大島代官記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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