大熊(読み)おおくま

改訂新版 世界大百科事典 「大熊」の意味・わかりやすい解説

大熊[町] (おおくま)

福島県東部双葉郡の町。人口1万1515(2010)。浜通り中部に位置し,西部阿武隈高地の丘陵地,東部は台地からなる。太平洋に面し,中央を東流する熊川河口を除いて海岸には海食崖がみられる。中心の大野には常磐線大野駅がある。台地上には溜池が発達し,米,葉タバコ,梨などの栽培畜産が盛ん。1967年に北部の夫沢地区と双葉町にまたがる海岸に東京電力福島第一原子力発電所の建設が着工され,71年から操業を開始,79年には6号炉が完成した。福島県の原子力センター,環境医学研究所がある。紅葉の名所,野上川上流には玉ノ湯温泉(単純炭酸鉄泉,25℃)がある。2011年3月の福島原発事故に際し,町役場の機能を福島県会津若松市に移転した。
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