大畠の瀬戸(読み)おおばたけのせと

日本歴史地名大系 「大畠の瀬戸」の解説

大畠の瀬戸
おおばたけのせと

玖珂郡と大島郡との海峡鳴門なると(鳴戸・鳴渡)ともいい、迫戸・迫門とも書く。また、大島の鳴門、大畠の鳴門ともいう。「水路志」に「大畠瀬戸其最狭部半海里未満、漲潮汐東に向ひ、落潮流は西に向ひ、其速力最強し、憩潮は数分時に過ぎず」とある。

「万葉集」巻一五に、

<資料は省略されています>

とある。また、

<資料は省略されています>

などの歌があるが、みな「万葉集」にならって大島の鳴門としている。

「万葉集」にも「名に負ふ鳴門の渦潮」と詠まれるとおり、古くから瀬戸内航路の難所として知られていた。またこの辺りの船の夜行は危険であったらしく、康応元年(一三八九)三月に厳島いつくしま神社に詣でた足利義満一行は、一一日には「夜舟は心もとなかるべしとて、かうしろ(神代)といふ海上に御とまりなり」とあり、翌日は「大畠のなると(鳴門)とて、しまじまあまたある中をかなたこなたに舟どもこぎわかれて、末にて又めぐりあふめり」と記す(鹿苑院殿厳島詣記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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