夜行(読み)ヤコウ

デジタル大辞泉 「夜行」の意味・読み・例文・類語

や‐こう〔‐カウ〕【夜行】

[名](スル)
夜間に出歩くこと。また、夜、活動すること。やぎょう。「百鬼夜行」「夜行動物」
夜行列車」の略。
夜、警戒のために歩いてまわること。
「―し、細殿などに入り臥したる」〈・三一二〉

や‐ぎょう〔‐ギヤウ〕【夜行】

百鬼夜行ひゃっきやぎょうのこと。また、それがあるとして外出を禁じた日。
「―の夜なども自らありあふらむ」〈栄花初花

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精選版 日本国語大辞典 「夜行」の意味・読み・例文・類語

や‐こう ‥カウ【夜行】

〘名〙
① 夜、行くこと。夜間に出歩いたり活動したりすること。やぎょう。
大乗院寺社雑事記‐応仁二年(1468)閏一〇月一三日「其後於在々所々夜行悪行令越過了」
史記抄(1477)一六「まして夜行する者もないそ」 〔礼記‐内則〕
② 夜、警戒のためにまわり歩くこと。また、その人。夜まわり。やぎょう。夜行番。
※枕(10C終)三一二「やかうし、細殿などに入り臥したる、いと見ぐるしかし」
③ 夜、狩りに行くこと。
※仮名草子・御伽物語(1678)一「ただひとり夜こうにいでたり。〈略〉たぬきの床にも尋ねあはず」
④ 夜遊び。
梁塵秘抄(1179頃)二「禅師はまだきにやかう好むめり、姫が心のしどけなければいとわびし」
多情仏心(1922‐23)〈里見弴裏切者今夜の夜行で、関西の方へたって行かうとしてゐます」

や‐ぎょう ‥ギャウ【夜行】

〘名〙
① いろいろな鬼や化け物が列をなして夜歩くこと。百鬼夜行。また、暦で、百鬼夜行があるとして、夜間の外出を禁じた日。
※栄花(1028‐92頃)初花「夜行の夜なども自らありあふらん」
② 夜歩くこと。夜あるき。また、夜間の警戒のために回り歩くこと。よまわり。やこう。〔文明本節用集(室町中)〕

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普及版 字通 「夜行」の読み・字形・画数・意味

【夜行】やこう(かう)

夜ゆく。宋・張耒〔海州道中、二首、一〕詩 舟夜行すれば、秋水廣し 秋風に滿ちて、漿(かぢ)を搖(ゆる)がさず

字通「夜」の項目を見る

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デジタル大辞泉プラス 「夜行」の解説

夜行

森見登美彦の小説雑誌「STORY BOX」に2009年から2010年に断続的に連載された「夜行」と、2010年刊行の「別冊STORY BOX JAPAN 青森へ」に掲載された短編夜会」を再構成し、全面改稿したもの。

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