山川 日本史小辞典 改訂新版 「大番催促」の解説
大番催促
おおばんさいそく
鎌倉幕府の守護の職権の一つ。守護役ともよばれた京都大番役に,御家人が勤仕するよう督促・指揮すること。この権限はすでに1190年代,西国の守護に付与され,まもなく守護の基本的職権である大犯(だいぼん)三箇条の第1とされた。具体的手順は,幕府から守護へ京都大番役催勤の命が下ると,守護は管国の御家人を上京させ,彼らを統率して六波羅探題のもとで大番役を勤仕し,終了後は覆勘状(ふっかんじょう)(勤務終了証)を発給した。このように大番催促は,守護による管国御家人指揮権の発動だったが,東国御家人の有力者には,守護の催促によらず,惣領が一族を率いて勤番するものもあった。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報