大百(読み)ダイビャク

デジタル大辞泉 「大百」の意味・読み・例文・類語

だい‐びゃく【大百】

歌舞伎かつら一種で、大百日おおびゃくにちのこと。
1が大盗賊や妖術者などの役に用いられたところから》大悪党
「そんな大それた真似の出来る―じゃあない」〈万太郎春泥

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精選版 日本国語大辞典 「大百」の意味・読み・例文・類語

だい‐びゃく【大百】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 歌舞伎のかつらの一種、大百日(おおびゃくにち)のこと。
    1. [初出の実例]「真中に大百(ダイビャク)を被(かぶ)って錫杖(しゃくじゃう)を持ちまして居りますのは柳枝(てまい)御坐います」(出典:落語・昔の詐偽(1897)〈三代目春風亭柳枝〉)
  3. ( が大時代物の大盗賊や妖術者などの役に使用されたところから ) 大悪党をいう。
    1. [初出の実例]「もともとそんな悪党ぢゃアない。━そんな大それた真似の出来る大百(ダイビャク)ぢゃアない」(出典:春泥(1928)〈久保田万太郎〉むほん)

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世界大百科事典(旧版)内の大百の言及

【歌舞伎】より

… にも役柄によって定められた類型がある。実事の役に使う〈生締(なまじめ)〉,大盗賊の〈百日鬘〉(大百(だいびやく)),傾城の〈立兵庫(たてひようご)〉,御殿女中の〈片はずし〉などは代表的なもので,基本的なもの数十種と,それらの部分の組合せによる膨大な数の種類がある。上にあげたような代表的な鬘は,鬘の名がそのまま役の性格を示すようになっているのを見ても,歌舞伎の演技・演出の中に鬘が占めている重要性が理解できよう。…

※「大百」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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