大羽尾村(読み)おおばによおむら

日本歴史地名大系 「大羽尾村」の解説

大羽尾村
おおばによおむら

[現在地名]岩美町大羽尾おおばねお

小羽尾こばによお村の北西に位置する。集落北東の海岸に密集。北に北東方向に日本海に突き出す羽尾はによお鼻があり、西と南を山塊が取囲む。拝領高は一七石余、本免は六ツ二分。藪役銀六分余・山役米一石余・海役米四石余を課されていた(藩史)。「因幡志」によれば家数一七で、産物は塩。安政五年(一八五八)の村々生高竈数取調帳では生高二一石余、竈数四七。

耕地に乏しく、羽尾半島西部の牧谷まきだに村地内にも山畑を開き、元禄一三年(一七〇〇)には同村と相論となった。享保(一七一六―三六)頃にはツノジ漁が盛んで灯火用のツノジ油の製造が行われた。享保九年までの運上油はツノジ漁船一艘当り八升であったが、同一〇年からは一斗二升となった。同九年の漁船は六艘であったが、田畑を耕作し地方御用をも勤めていることを考慮し船懸りの役は三艘分であった。同一〇年・一一年には漁船三艘分三斗六升のうち六升が減免されているが、これは沖漁を冬・春のうち短期間のみ操業することなどが考慮されたもの。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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