岩美町(読み)いわみちよう

日本歴史地名大系 「岩美町」の解説

岩美町
いわみちよう

面積:一二二・二六平方キロ

県の北東端に位置する。東は兵庫県美方みかた浜坂はまさか町・同郡温泉おんせん町、南は国府こくふ町、西は福部ふくべ村に接し、北は日本海に面する。東部・南部の山地は急峻で、北の海岸線にも山塊が迫る。蒲生がもう川が南東から北西に向かって流れ、町域北西部で西部を北流してきた小田おだ川を合せ日本海に注ぐ。また北東部を陸上くがみ川が北流し同じく日本海に注いでいる。集落は蒲生川・小田川およびその小支流が形成する谷底平地と、海岸線の入江地および砂丘後背地に形成されている。蒲生川河口付近の平地は大谷おおたに沢とよばれた沼沢地が幕末までに埋立てられたもの。国道九号が北西端に近い駟馳山しちやま峠を越えて東進したのち、ほぼ蒲生川に沿って南東方向へ走り蒲生峠を越えて温泉町に抜け、駟馳山峠東麓から北へ分岐した国道一七八号は海岸線を東進して浜坂町に抜ける。また小田川と蒲生川との合流点付近で国道九号から分岐した県道が南北に走り、国府町へ至っている。JR山陰本線は駟馳山峠を経て東進したのち北上して海岸沿いを走る。

小田川中流域の岩常いわつね高野坂たかんざか古墳群が、蒲生川河口付近の大谷には穴観音あなかんのん古墳がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「岩美町」の意味・わかりやすい解説

岩美〔町〕
いわみ

鳥取県北東端,日本海にのぞむ町。山地が海岸に迫り平野は蒲生川流域に分布。 1954年岩井,浦富の2町と東,田後,網代,大岩,本庄,小田,蒲生の7村が合体して発足。中心集落の浦富は旧城下町で,網代,田後の両港は県東部の主要漁港。奇岩と海岸美で知られる浦富海岸 (名勝・天然記念物) は山陰海岸国立公園に属し,岩井廃寺塔跡 (史跡) ,岩井温泉,河合谷高原のスキー・キャンプ場など観光資源が多い。唐川のカキツバタ群落は天然記念物。河合谷高原は氷ノ山後山那岐山国定公園に属する。重要無形民俗文化財の菖蒲綱引き行事を伝える。海岸部を JR山陰本線,国道 178号線が通じ,町域中央を9号線が縦断する。面積 122.32km2。人口 1万799(2020)。

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