大隅宮(読み)おおすみのみや

日本歴史地名大系 「大隅宮」の解説

大隅宮
おおすみのみや

応神天皇の宮と伝えられる。「摂津志」「摂津名所図会」などは、西大道にしだいどう(現東淀川区)にその旧跡を求めている。その根拠は必ずしも明らかでないが、「日本書紀」安閑天皇二年九月一三日条に、牛を「難波の大隅島とひめ島の松原」に放したとあり、この大隅島を西大道村付近に比定し、これと大隅宮とが関係あるものとするところから立論されていると思われる。一方、大隅宮の「スミ」の音はスミノエ(清江・住吉)の「スミ」に通ずるとし、大隅宮を現天神てんじん橋南詰付近(東区)から背後の丘陵にかけての地域とする説も出されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の大隅宮の言及

【難波宮】より

…現在の大阪市中央区法円坂町一帯を中心として所在した7世紀中葉から8世紀末に至る古代宮殿遺跡。上町台地を中心とする古代の難波の地には,古くは応神天皇の大隅(おおすみ)宮,仁徳天皇の高津宮,欽明天皇の祝津(はふりつ)宮などの宮室が置かれたと記紀は伝えている。645年(大化1)6月,飛鳥板蓋(いたぶき)宮における蘇我入鹿暗殺事件を発端としていわゆる大化改新が開始されるが,同年12月,孝徳天皇は都を飛鳥から難波長柄豊碕(ながらとよさき)に移した。…

【鹿児島神宮】より

…式内社,旧官幣大社。一名正八幡宮(大隅宮)。708年(和銅1)現地に遷座したと伝える。…

※「大隅宮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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