朝日日本歴史人物事典 「大鳥逸平」の解説
大鳥逸平
生年:天正16?(1588)
江戸前期のかぶき者。江戸城普請の人足元締として大久保長安に仕え,長安失脚によって浪人し,あぶれ者の首領になる。慶長年間(1596~1615)に大名旗本の中間小者を中心に徒党を組み,武家に対抗,町奴の先駆者となる。大鳥グループはのちの六方組(鉄砲組,笊籠組,吉屋組,鶺鴒組,大小神祇組,唐犬組)の行動スタイルを決定する。異装異風で横行し,厳物づくりの太刀に「二十五まで生きすぎたりしや逸平」と銘を入れて,肩で風を切る。一味の主殺しを機に幕府が徒党の一掃にのりだし,斬首300人。逸平も刀の銘どおり25歳で磔柱にのぼった。<参考文献>松田修『刺青・性・死』
(平岡正明)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報