天尊跡(読み)てんそんびようあと

日本歴史地名大系 「天尊跡」の解説

天尊
てんそんびようあと

[現在地名]那覇市若狭一丁目

近世若狭町わかさまち村の西側、波之上大なみのうえうふ道に面した廟。天尊堂とも称された。北隣は護国寺、南は天尊てんそん小堀を経て、洪済こうさい寺へと続いていた。道教の神である九天広元雷声普化天尊を祀り、久米村くにんだ(唐栄)管轄であった。「琉球国由来記」に、唐栄とうえい西門(西武門)外、同門と南門(大門)の中間にあり、また唐栄の風水にかかわることから、唐栄に属すること久しとし、人三十六姓が初めて邑宅を営んだ時、建立されたものかとある。景泰七年(一四五六)九月二三日銘の鐘(県指定文化財)が、尚泰久により鋳造され喜捨された。廟の行事・祭礼について、毎年正月四日に天尊が下天するとされ、五月五日の佳節、一二月二四日上天などのほか、六月二四日聖誕の時には祭物を供した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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