天洋丸(読み)てんようまる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「天洋丸」の意味・わかりやすい解説

天洋丸
てんようまる

東洋汽船会社所属、サンフランシスコ航路に就航した鋼製三螺旋(らせん)旅客船三菱(みつびし)長崎造船所建造。起工1905年(明治38)6月23日、進水07年9月14日、竣工(しゅんこう)08年4月22日。1万3454総トン、長さ167.6メートル、主機パーソンズ蒸気タービン、出力1万9000馬力、速力20.61ノット。船客定員一等275人、特二等54人、三等800人。日本の商船の最大のものが6000トン級であった当時、時代を先取りして建造された大型優秀客船として日本の造船史上に輝かしい記録を残した船である。1926年(大正15)合併のため日本郵船会社移籍、33年(昭和8)に売却され、解体された。姉妹船に地洋丸と春洋丸とがあった。

[茂在寅男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「天洋丸」の意味・わかりやすい解説

天洋丸
てんようまる

1907年北アメリカ航路用として三菱長崎造船所で建造された客船。東洋汽船会社の所属。総トン数1万 3454t,長さ 167.64m,幅 19.20mで,日本最初タービン船として,また1万tをこえる最初の国産船として注目を浴びた。また船内には無線局があり,初めて海上陸上を結ぶ通信業務を行なった。

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