タービン船(読み)たーびんせん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タービン船」の意味・わかりやすい解説

タービン船
たーびんせん

蒸気タービンを主機関とする船。蒸気タービンはディーゼル機関に比べて保守がやや容易で、また振動が少ないので、大型客船、超大型タンカーあるいは高速コンテナ船の主機関として採用されてきた。しかし、C重油を使用するディーゼル機関より燃料消費量が30~40%多いので、石油価格高騰後の省エネルギー時代になってタービン機関をディーゼル機関にかえる船も現れ、新しくタービン機関を採用する船はほとんどなくなった。舶用タービンは毎分約5000回転程度の高速回転なので、普通二段階の減速歯車で毎分100回転くらいまでに下げて推進軸を駆動する。船の出入港時にはプロペラを逆回転させることが多いが、蒸気タービンは同じ翼車で逆回転はできないため、別に設けた後進用の翼車へ蒸気を当てて後進する。

[森田知治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タービン船」の意味・わかりやすい解説

タービン船
タービンせん
turbine steamer

タービン汽船。蒸気タービンを推進機関とする船。高速を要求される軍艦商船主流であった。現代の船舶蒸気機関に代って経済的なディーゼル機関の全盛時代であるが,出力限度があるため,大馬力を必要とする軍艦,高速客船,高速貨物船などは蒸気タービンを主機関として使用する場合がある。また石炭焚き船,LNGキャリアなど特殊な燃料を使う場合も蒸気タービン機関を用いる。

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