天草日記(読み)あまくさにっき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「天草日記」の意味・わかりやすい解説

天草日記
あまくさにっき

松平輝綱(まつだいらてるつな)の島原・天草一揆(いっき)鎮圧の従軍日記。『島原天草日記』ともいう。当時18歳の著者が、上使である父伊豆守信綱(いずのかみのぶつな)に従い1637年(寛永14)12月3日に江戸をたち、翌正月4日原(はら)城下に着陣、2月28日の落城後、天草、長崎平戸(ひらど)などを検分して5月13日江戸に帰着するまでを日記体に記す。漢文体。投降勧告文やその答書、一揆側の動向などを含むが、後世1663年(寛文3)撰(せん)のいわば回顧録で記事には問題もある。『続々群書類従 4』所収。

中村 質]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「天草日記」の意味・わかりやすい解説

天草日記
あまくさにっき

『島原天草日記』ともいう。1冊。松平輝綱著。島原の乱鎮定の上使となった川越藩主松平 (大河内) 信綱とともに従軍した子の輝綱が,日記体で記した記録。寛文3 (1663) 年の序文がある。『続々群書類従』に収められる。

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