改訂新版 世界大百科事典 「太陽面座標」の意味・わかりやすい解説
太陽面座標 (たいようめんざひょう)
heliographic coordinates
太陽面現象の位置を示すための経緯度座標。地球と同様に,太陽光球面上に北極,南極,赤道を定め,緯度は赤道から極に向け0°から±90°(+は北半球)にとり,経度は北極側からみて反時計回りに0°から360°にとる。しかし太陽は地球とは異なり低緯度ほど自転速度が速く,経度線は時間が経つと赤道方向が先に伸びた曲線となる。これでは不便なので,経度線は対地球の自転周期が27.2753日(緯度16°における自転周期に近い)で太陽の自転軸を回り,その原点は,1854年1月1日グリニジ平均正午において黄道面と交わる太陽の赤道(昇交点)を通る子午線を採用している。ある時刻における経緯度は《理科年表》の〈太陽の自転軸〉の項を参照して求めるとよい。簡便法として,地球からみた太陽面の中点を通る経度を0°とし,東縁または西縁に向けて0°から90°にとって表すこともある。
執筆者:日江井 栄二郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報