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失外套症候群 しつがいとうしょうこうぐんapallic syndrome

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

失外套症候群
しつがいとうしょうこうぐん
apallic syndrome

前頭葉を含めた大脳皮質全般 (外套) の広範な障害 (脳炎,外傷,中毒など) によって起る症候群で,大脳の機能が失われ,ことに自発性の欠如が著しく,みずから話したり動いたり認識したりすることがなく,精神的な反応はほとんどなくなる。ただし意識は清明だという。一方,肉体的にも不自然な受動的な体位が目立ち,上肢が硬直した姿勢を長時間保って動かない。ただし飲食物の摂取は可能で,また睡眠と覚醒のリズムも保たれている。ドイツの精神科医,E.クレッチマーによって提唱された症候群で,症候面からいえば無動性無言症と区別しにくいが,これが機能的障害であるのに対し,失外套症候群は器質的障害である。

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世界大百科事典内の失外套症候群の言及

【意識】より

…これより軽度ではあるが思考や行動にまとまりの欠ける状態は,朦朧(もうろう)状態twilight stateと呼ばれる。また長期間経過した広範な大脳皮質病変の場合には,目を開いて覚醒してはいるが外界からの刺激に対しまったく反応せず,手足も動かさずにじっとしたままの状態が生ずるが,これらは失外套症候群apallic syndromeとか慢性植物状態vegetative stateなどと呼ばれている。 意識障害を生ずる原因はさまざまであるが,やはり大脳全体を広範におかすようなものと,脳幹網様体の局所的病変によるものとに分けられる。…

【無動無言症】より

…ケアンズらの症例は第三脳室類上皮囊腫で視床下部‐視床の圧迫症状と考えられたが,豊倉康夫らはその後の報告例を,(1)中脳・橋の出血や軟化などによる視床,視床下部,脳幹網様賦活系の部分的な障害,(2)両側前帯状回,脳梁,ときには前頭葉の出血や軟化による障害,(3)一酸化炭素中毒,白質ジストロフィーなどの大脳皮質と白質の広範な障害,によるものに分けた(1967)。これらのうち(3)は,ドイツ語圏や日本では失外套症候群apallisches Syndrom(クレッチマーE.Kretschmer,1940)と呼ばれ,意識混濁がないことからこの症候群から区別されている。【石黒 健夫】。…

※「失外套症候群」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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