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脳炎 のうえんencephalitis

翻訳|encephalitis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

脳炎
のうえん
encephalitis

脳の炎症流行性脳炎とその他のものに分けられる。流行性脳炎には,第1次世界大戦後ウィーンを中心に大流行した病原未確認の嗜眠性脳炎と,病原ウイルスの確認されている日本脳炎のようなものがある。その他の脳炎としては,インフルエンザ,麻疹,ポリオ,腸チフス,百日咳,狂犬病など各種の感染症の経過中や経過後に発症するもの,あるいは種痘後脳炎などがある。

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百科事典マイペディアの解説

脳炎【のうえん】

脳の炎症性疾患の総称。日本脳炎その他の流行性脳炎と,続発性脳炎に大別。後者は,はしか,猩紅(しょうこう)熱,インフルエンザ,水痘などの伝染病や,重金属中毒などの経過中または経過後に起こるもので,高熱,意識障害,痙攣(けいれん)などの症状があり,麻痺(まひ)などの後遺症を残すことがある。
→関連項目チック(医学)トキソプラズマひきつけ

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家庭医学館の解説

のうえん【脳炎 (Encephalitis)】

 脳実質(のうじっしつ)(脳そのもの)に炎症がおこるのが脳炎で、とくにウイルスが感染しておこることが多いものです。細菌の感染でおこると脳膿瘍(のうのうよう)(コラム「脳膿瘍」)となります。
 ウイルスが直接、脳に感染しておこる脳炎は、日本では、単純ヘルペス脳炎(「単純ヘルペス脳炎」)と、日本脳炎(「日本脳炎」)が代表的なものです。
 まれに、はしか(麻疹(ましん)(「はしか(麻疹)」))、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎(りゅうこうせいじかせんえん)(「おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)」))、水痘(すいとう)(水ぼうそう(「水痘(水ぼうそう)」))、風疹(ふうしん)(「風疹(三日ばしか)」)などのウイルス感染症にかかった後に脳炎になることがありますが、たいていは発熱、頭痛程度で治ります。
 このほかに、かぜのような症状が現われた後1~2週間して発症する急性散在性脳脊髄炎(きゅうせいさんざいせいのうせきずいえん)(「急性散在性脳脊髄炎(アデム)」)と呼ばれる特殊な病気があります。
 また、ウイルスの感染を受けてから、かなり月日がたって発症してくる、遅発性(ちはつせい)ウイルス脳炎(のうえん)(「遅発性ウイルス脳炎」)もあります。

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世界大百科事典 第2版の解説

のうえん【脳炎 encephalitis】

脳実質の炎症による神経疾患で,病原体の脳実質への直接の影響によるもの,各種感染症に続発したり予防接種後などにおこるアレルギー性機序の考えられるものがある。(1)病原体が脳実質を直接侵すことによる脳炎 日本脳炎エコノモ脳炎,単純ヘルペス脳炎などをはじめ病原体はほとんどがウイルスである。症状は発熱,頭痛,吐き気,嘔吐などで始まり,意識障害や精神症状を呈するようになる。回復後も後遺症を残すことがまれではない。

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大辞林 第三版の解説

のうえん【脳炎】

脳実質の炎症性疾患の総称。日本脳炎・エコノモ脳炎などウイルスによる流行性脳炎と、種々の感染症に続発する続発性脳炎に大別される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

脳炎
のうえん

脳実質の炎症性疾患で、脳炎症状のほか多少とも髄膜炎症状を伴うところから髄膜脳炎ともよばれる。ウイルスの感染によっておこる脳炎が大部分であり、ウイルス性脳炎viral encephalitisとよばれる。
 ウイルス性脳炎は、急性脳炎、傍感染性(続発性)脳炎、持続性慢性脳炎に大別される。
 急性脳炎には、一次的に向神経性ウイルスが脳に到達して発症する代表的な脳炎と、一次的に髄膜炎をおこし、これが脳実質に波及して二次的に脳炎をおこす髄膜脳炎とよぶのがふさわしいものとがある。症状としては、発熱や頭痛などの一般症状のほか、髄膜炎に特有な項部強直やケルニッヒ徴候などの髄膜刺激症状、意識障害、けいれん、昏睡(こんすい)などをはじめ、その他の病巣症状として眼球しんとう、顔面麻痺(まひ)、運動緩慢などもみられ、髄液にはタンパクや細胞の増多などが現れる。急性脳炎には、もっとも典型的な日本脳炎やセントルイス脳炎などをはじめ、髄膜脳炎の型をとるヘルペス脳炎(単純ヘルペス脳炎、水痘・帯状疱疹(ほうしん)ウイルス脳炎など)や腸管ウイルス脳炎(ポリオウイルス脳炎、コクサッキーウイルス脳炎、エコーウイルス脳炎)、ムンプス(流行性耳下腺(せん)炎)脳炎などがある。
 傍感染性脳炎には、他のウイルス性疾患に続発しておこる感染後脳炎と、予防接種後に発症する脳炎が含まれる。この病因についてはアレルギー説が有力視されていたが、臨床ウイルス学の進歩により、向神経性ウイルス以外のウイルスでも直接脳に侵入して増殖する場合もあることが認められた。感染後脳炎はウイルス感染症の罹患(りかん)中、またはその急性症状が治まってから脳炎のおこる場合をいい、麻疹(ましん)、風疹、水痘などウイルス性発疹症に伴うことが多い。また予防接種後脳炎では、種痘後脳炎が注目されていたが、種痘中止によってその心配はなくなった。しかし、まれではあるが、狂犬病ワクチン、百日咳(ひゃくにちぜき)ワクチン、インフルエンザワクチンなどの接種後に発症することがある。
 持続性慢性脳炎は、亜急性脳炎と慢性脳炎を含み、いずれもスローウイルスによる遅発性ウイルス感染症である。これには、麻疹ウイルス変異株の持続性感染を基盤とする亜急性硬化性全脳炎をはじめ、パポーバウイルスの持続性潜在性感染による進行性多巣性白質脳症、およびニューギニア東部高地に住むフォレ語族に限局してみられた小脳性運動失調を主徴とするクールーkuruなどがあるが、いずれも予後はきわめて不良である。[柳下徳雄]

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世界大百科事典内の脳炎の言及

【ヘルペス脳炎】より

…ヘルペスウイルスにより脳に急性炎症性の病変をきたす疾患。脳炎を起こすヘルペスウイルスとしては,単純ヘルペスウイルス,帯状疱疹ウイルス,サイトメガロウイルスなどがあるが,以下は単純ヘルペス脳炎について述べる。 単純ヘルペスウイルスは1型と2型があるが,この疾患は1型ウイルスにより起こる。…

※「脳炎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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