奈呉浦
なごのうら
放生津浦のこと。新湊市の富山湾沿岸一帯を奈呉(奈古)と称し、同地を根拠にする漁民を奈呉の海人、海面を奈呉海・奈呉浦と称した。「万葉集」巻一七―一九に奈呉の海と詠んだもの四首、奈呉の浦二首、奈呉の海人(海士)三首、計九首が収録され、秦八千島の歌として「奈呉の海人の釣する舟は今こそば舟
打ちてあへて漕ぎ出め」がある(巻一七)。歌枕とされ、「新千載集」「新続古今集」「六百番歌合」などに歌われた。「八雲御抄」は海および浦の項に「なご」をあげ、越中とする。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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