奏瑞(読み)ソウズイ

デジタル大辞泉 「奏瑞」の意味・読み・例文・類語

そう‐ずい【奏×瑞】

瑞祥ずいしょうの事を奏上すること。また、その役目の人。律令制では、瑞祥が出現するとその国から太政官に報告し、ただちに天皇へ、あるいは翌年元日にまとめて奏上した。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「奏瑞」の意味・読み・例文・類語

そう‐ずい【奏瑞】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 瑞祥(ずいしょう)の事を奏上すること。令制では、瑞祥(大・上・中・下の四等にわける)が出現するとその国から太政官に報告し、大瑞(だいずい)ならば太政官からすぐに天皇に奏聞し、上瑞(第二等で九尾狐、赤兎など)以下は、治部省が翌年の元日に、一括して奏聞した。
    1. [初出の実例]「貞観六年日記云、承前之例、雖奏瑞事、猶置其人」(出典西宮記(969頃)一)
    2. [その他の文献]〔新唐書‐礼楽志〕
  3. 元日に、前年の上瑞以下を天皇に奏聞する役目の人。平安時代には、四位以上の人の中から選ばれた。
    1. [初出の実例]「大臣預点〈十二月十三日点定即日奏聞〉〈略〉奏賀奏瑞各一人〈簡四位以上堪事者之〉」(出典:貞観儀式(872)六)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

USスチール買収問題

日本製鉄は2023年12月、約141億ドル(約2兆2千億円)で米鉄鋼大手USスチールを完全子会社化する計画を発表した。国内の鉄鋼市場が先細る中、先進国最大の米国市場で、高級鋼材需要を取り込み、競争力...

USスチール買収問題の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android