奥門田村(読み)おくもんでむら

日本歴史地名大系 「奥門田村」の解説

奥門田村
おくもんでむら

[現在地名]高野町奥門田

高野山たかのやま(現神之瀬川)南方大鬼おおき山の西麓にあたり、奥門田川とその支流火室ひむろ(八四七メートル)麓に発する湯の谷ゆのたに川が北流し、下門田しもんで村で高野山川と合流する。耕地はこの川と小支流の周辺に分布し、谷あいの寒冷地。北東みなみ村、南は宮内みやうち(現口和町)、北は中門田村。村域南部の深溝ふかみぞ遺跡からは弥生式土器片などが出土した。中世にはじび多賀たか村に含まれた。

元和五年(一六一九)の備後国知行帳では「高ノ山村」に含まれ、「芸藩通志」によると奥門田村は八二町九段三畝一五歩、二九一・九六二石。同書に「山高く谷深く、金尾原あり、寒天雪深きを苦しむ」とあり、恵蘇えそ郡の「国郡志下調郡辻書出帳」にも「雪抔ハ五月頃迄も消不申、苗代抔ハ水ヲ当込手ヲ入レ、雪を消氷を砕、種蒔申候」とみえ、農業にとっては恵まれない条件下にあった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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