奴め(読み)ヤツメ

デジタル大辞泉 「奴め」の意味・読み・例文・類語

やつ‐め【奴め】

[名]やつ(奴)」を強めていう語。「にくい奴め
[代]三人称人代名詞。「やつ(奴)」をいっそう卑しめたり、憎悪感情を交えたりしていう語。「奴めの言いなりになどなるものか」

しゃつ‐め【奴め】

[代]《「め」はののしりの意を表す接尾語》三人称の人代名詞。「しゃつ」を強めていう語。あいつめ。きゃつめ。やつめ。
「―共にのがすな」〈浄・国性爺

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「奴め」の意味・読み・例文・類語

やつ‐め【奴め】

  1. ( 「め」は接尾語 )
  2. [ 1 ] 〘 名詞 〙 「やつ(奴)[ 一 ]」を一層卑しめていう語。時としては憎悪の感情を交じえるが、親しみをこめていうこともある。
    1. [初出の実例]「のって事にあふべき馬の候つるを、したしいやつめにぬすまれて候」(出典:平家物語(13C前)四)
  3. [ 2 ] 〘 代名詞詞 〙 他称。「やつ(奴)[ 二 ]」を一層卑しめたり軽んじたりしていう語。あいつ。あの野郎。あいつめ。「奴めが、またしくじったか」

しゃつ‐め【奴め】

  1. 〘 代名詞詞 〙 ( 代名詞「しゃつ」にののしりの接尾語「め」の付いた語。「しゃつ」を強めていう ) あいつめ。
    1. [初出の実例]「知りたりせば、しゃつめには斬られまじ」(出典:義経記(室町中か)二)

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