好気味（読み）いいきび

精選版 日本国語大辞典

いい‐きび【好気味】

1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
2. ① ＝いいきみ（好気味）①
   1. [初出の実例]「いいきびだ。酔醒の頭痛が直った」(出典：歌舞伎・傾城金秤目（1792）中幕)
3. ② ＝いいきみ（好気味）②
   1. [初出の実例]「『ヲヤ落した、ヱヱ業腹な』『能気味(イイキビ)だねへ』」(出典：滑稽本・浮世風呂（1809‐13）二)

いい‐きみ【好気味】

1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
2. ① 気持がいいこと。いい気持。気分が爽快(そうかい)であるさま。
   1. [初出の実例]「茶おぐっとのみ『アアいいきみだ』」(出典：洒落本・仮根草（1796か）三子東深結妓)
3. ② ( 他人の不幸や失敗を喜び、あざけっていう ) 胸がすくような気持。気持がいいさま。痛快。
   1. [初出の実例]「すこしはやきもち心もあれば、よね八をにくみ、いいきみとおもふゆゑ」(出典：人情本・春色梅児誉美（1832‐33）初)

よい‐きみ【好気味】

1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
2. ① よい気分であるさま。いいきみ。よいきび。
   1. [初出の実例]「私もさっぱりと致いて能気味で御座る」(出典：虎寛本狂言・呂蓮（室町末‐近世初）)
3. ② ざまを見ろといいたい気持。それ見たことかという気持。いいきみ。よいきび。
   1. [初出の実例]「主人の手向に胸板をつかふか、鯉の恨眼をくらふか、エよい気味とせちがふ所へ」(出典：浄瑠璃・双生隅田川（1720）二)

出典　精選版 日本国語大辞典